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『クリニカル アイ』シリーズ
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クリニカル アイ 神経内科(第2版)

CBT,国試,臨床研修―すべての神経内科領域の“解”がここにある

クリニカル アイ 神経内科(第2版)

販売中
   紙書籍 
古川哲雄(千葉西総合病院顧問) 著
三苫博(東京医科大学病院卒後臨床研修センター兼任教授) 著

B5判,354頁,2色刷
2007/10/23発行
¥4,180(本体¥3,800+税¥380)
ISBN 978-4-87211-827-8
CBTから国試,そして臨床研修まで,神経内科の幅広い試験対策をこの一冊で!
国試の内容をベースとした紙面構成で「読む→覚える→解く」を実現!
各項目の学習ポイント「clinical eye」は勉強の導入に,あるいは要点チェックに最適!
病態の理解をはかるため 300点ものわかりやすい図表を掲載!
コラムで周辺情報や関連用語を解説。発展的学習を可能に!

第2版の序
 臨床医学において患者さんの所見をきちんととることが基本であることは初版のはじめにも述べました。しかし,雑誌「神経内科」に投稿されてくる論文を査読していると,この基本的な所見の記載があまりにも雑な論文が少なくありません。これは大学での卒前,卒後臨床教育軽視の反映と考えられます。ところが,もう一度きちんと書き直すようにと厳しく注意して返送すると,2〜3か月後に見違えるほどよくなって返ってくる論文が目につくようになりました。最近は厳しく注意してくれる教授が少なくなったことは残念なことだと思います。人間必然性に迫られなければ何もできないからです。
 本書第2版には新しい知見も入れて臨床に必要な基本的な項目について説明されています。反復して基本を身につけること,そして疑問の生じた点はさらに深く自分で調べること,これが重要であることを繰り返し述べておきたいと思います。

 平成19年9月

著 者

目次
I. 総論

A. 意識障害

 ■ 意識を維持するシステムとその障害
1. 意識障害の程度の判定
 Mayo Clinic 分類
 3-3-9度方式(Japan coma scale;JCS)
 Glasgow coma scale;GCS
 特殊な意識障害
2. 意識障害を来す疾患
3. 植物状態と脳死

B. 運動系症状

1. 運動制御システムの解剖と生理
 反射,自動運動,随意運動
 随意運動形成の神経機構
 大脳基底核と小脳による運動の調節
2. 運動麻痺
 運動麻痺の診断
 運動麻痺の分類
 運動麻痺の原因とその鑑別
3. 不随意運動
4. 運動失調
 小脳失調
 脊髄性失調
 前庭性失調
5. 筋緊張
6. 歩行障害
 麻痺性の歩行障害
 パーキンソニズムによる歩行障害
 運動失調による歩行障害

C. 感覚系症状

 ■ 脳の感覚システムはどのようにして感じているのか?
1. 感覚障害
 感覚の種類
 感覚の診察
 感覚伝導路の走行
 感覚障害の分類
2. 視覚障害
 視力低下
 視野障害
3. 嗅覚障害

D. 脳神経症状

 ■ えらの神経から進化した脳神経
1. 動眼神経(III),滑車神経(IV),外転神経(VI)
 解剖と生理
 動眼,滑車,外転神経の診察
 眼球運動障害
2. 三叉神経(V)
 解剖と生理
 三叉神経の診察
 顔面の感覚障害
3. 顔面神経(VII)
 解剖と生理
 顔面神経の診察
 顔面神経麻痺
4. 蝸牛神経,前庭神経(VIII)
 蝸牛神経
 前庭神経
5. 舌咽神経(IX),迷走神経(X),舌下神経(XII)
 解剖と生理
 舌咽,迷走,舌下神経の診察
 球麻痺と仮性球麻痺
6. 副神経(XI)
 ■ 解剖と神経症状

E. 高次機能の障害

1. 認知症
 認知症とは?
 認知症の診察
 皮質性認知症と皮質下性認知症
2. 失 語
 失語症の種類
 失語の診察
3. 失 認
 視覚,聴覚,触覚失認
 身体失認
 視空間失認
4. 失 行
 観念性失行
 観念運動性失行
 構成失行
 着衣失行

F. 自律神経症状

 交感神経と副交感神経の解剖
 瞳孔と自律神経
 排尿機能と自律神経
 ●神経因性膀胱

G. 神経学的補助検査法

1. 髄液検査
 腰椎穿刺の手技
 異常所見
2. 画像検査
 頭部CT検査
 磁気共鳴画像
3. 生理検査
 脳 波
 末梢神経伝導検査
 筋電図
 誘発電位
4. 病理検査
 筋生検
 神経生検


II. 各論

A. 先天性疾患

1. 脳・脊髄の奇形
 脊髄空洞症
 頭蓋底嵌入症
 Chiari奇形
2. 神経皮膚症候群
 ■ 概 念
 神経線維腫症
 ●1型
 ●2型
 結節性硬化症,Bourneville Pringle母斑症
 Sturge-Weber病
 von Hippel-Lindau病

B. 脳血管障害

 ■ 脳血管障害とは
 ■ 血管の解剖
 ■ 脳循環の生理
1. 脳梗塞
2. 一過性脳虚血発作
3. その他の脳梗塞
 多発性脳梗塞
 Binswanger型白質脳症
4. 脳出血
 高血圧性脳出血
 アミロイドアンギオパチー
5. クモ膜下出血と脳動脈瘤
6. 脳血管奇形・発達異常
 脳動静脈奇形
 海綿状血管腫
 頸動脈海綿静脈洞瘻
 もやもや病(Willis動脈輪閉塞症)
7. 脳静脈・静脈洞閉塞
 ■ 静脈洞血栓症

C. 感染症

 ■ 神経系感染症の2つの病態:髄膜の炎症と脳実質の炎症
 ■ 診断に必要な髄液検査
1. 髄膜炎
 ■ 脳を包む膜の炎症
 ウイルス性髄膜炎
 細菌性髄膜炎
 結核性髄膜炎
 真菌性髄膜炎
2. ウイルス性脳炎
 ■ ウイルスに攻撃される脳
 ■ 脳炎の診断と治療
 単純ヘルペス脳炎
 日本脳炎
3. インフルエンザに伴う神経症状
 ■ 脳が腫れて脳圧亢進
 Reye症候群
 小児急性壊死性脳症
4. レトロウイルス感染症
 HTLV-I関連脊髄症
 AIDSの神経系合併症
 ●AIDS認知症症候群
5. スローウイルス感染症
 ■ じっと潜んでいるスローウイルス,暴れ出したらどうにも止まらない
 亜急性硬化性全脳炎
 進行性多巣性白質脳症
6. 脳膿瘍
7. 神経梅毒
 ■ 分 類
 脊髄癆
 進行麻痺
 ■ 診断と治療
8. プリオン病
 ■ 脳がスポンジ状になる病気
 Creutzfeldt-Jakob病
 Gerstmann-Straussler-Scheinker病

D. 代謝性疾患

■ 亜急性連合性脊髄変性症

E. 変性疾患

 ■ 原因不明の神経細胞の脱落
1. 運動ニューロン疾患
 ■ 筋肉がやせ,力が入らない
 筋萎縮性側索硬化症
 脊髄性進行性筋萎縮症
 Kugelberg-Welander病
 Werdnig-Hoffmann病
 Kennedy-Alter-Sung病
2. 錐体外路疾患
 ■ 好対照の2疾患:動けないParkinson病と動きすぎるHuntington病
 Parkinson病
 ●悪性症候群
 Parkinson病の鑑別診断
 ●Parkinson症候群
 多系統萎縮症―線条体黒質変性症タイプ
 進行性核上性麻痺
 本態性振戦
 Huntington病
3. 脊髄小脳変性症
 ■ 麻痺がないのに手がなめらかに動かない,歩けない
脊髄の変性を主とするもの
 Friedreich失調症
孤発性で小脳の変性を主とするもの
 晩発性小脳皮質萎縮症
 多系統萎縮症―オリーブ橋小脳萎縮症タイプ
 多系統萎縮症―Shy-Drager症候群タイプ
遺伝性で小脳の変性を主とするもの
 脊髄小脳失調症6型
 脊髄小脳失調症1,2型
 Machado-Joseph病
 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症
4. 認知症を来す変性疾患
 Alzheimer病
 Alzheimer病の鑑別診断
 ●脳血管性認知症
 Pick病

F. 脱髄疾患

 ■ アンテナの樹状突起,活動電位を発生する細胞体,興奮を伝える軸索
 ■ 髄鞘の障害:脱髄
1. 多発性硬化症
 ●Devic病
2. 急性散在性脳脊髄炎
3. 白質ジストロフィー
 副腎白質ジストロフィー
 異染性白質ジストロフィー
 Krabbe病

G. てんかん

 ■ 脳の嵐
 部分てんかん(焦点性,局所性)
 全般てんかん
 ■ 全般てんかんの発作型
 ■ 全般てんかんの原因疾患
 てんかんの治療

H. 脊椎疾患

 ■ 脊柱管狭窄症:脊髄の収納スペースが狭くなる
 ■ 診断の流れ
 変形性頸椎症,頸椎椎間板ヘルニア
 後縦靱帯骨化症
 変形性腰椎症
 腰椎椎間板ヘルニア

I. 末梢神経障害

 ■ 末梢神経の基礎知識
 ■ 末梢神経障害の分類
 ■ 末梢神経障害の神経症候
1. 遺伝性ニューロパチー
 ■ Charcot-Marie-Tooth病
2. 炎症性ニューロパチー
 Guillain-Barre症候群
 Fisher症候群
 慢性炎症性脱髄性多発神経根炎
3. 代謝疾患に伴うニューロパチー
 糖尿病性ニューロパチー
 家族性アミロイド多発ニューロパチー
 尿毒症性ニューロパチー
 栄養障害ニューロパチー
4. 中毒性ニューロパチー
 薬物性ニューロパチー
 工業毒,農薬によるニューロパチー
5. 膠原病に伴うニューロパチー
6. 腫瘍に伴うニューロパチー
 Crow-Fukase症候群
 癌性ニューロパチー
7. 顔面神経麻痺
8. 絞扼性末梢神経障害
 手根管症候群
 肘管症候群
 橈骨神経麻痺
 総腓骨神経麻痺
9. その他のニューロパチー
 半側顔面けいれん
 神経痛

J. 筋疾患

 ■ 筋疾患の分類
 ■ 萎縮を伴う近位筋の筋力低下
 ■ 筋障害を示す検査
1. 炎症性筋疾患
 多発筋炎,皮膚筋炎
2. 筋ジストロフィー
 進行性筋ジストロフィー
 筋緊張性ジストロフィー
 ●先天性筋緊張症
3. 先天性ミオパチー
4. ミトコンドリア脳筋症
 ■ ミトコンドリア障害による筋細胞,神経細胞のエネルギー危機
 慢性進行性外眼筋麻痺
 MELAS
 MERRF
5. イオンチャネル,神経筋接合部の異常で起こる疾患
 周期性四肢麻痺
 重症筋無力症
 ●クリーゼ
 Lambert-Eaton症候群

K. 機能性疾患

1. 頭 痛
 片頭痛型血管性頭痛
 緊張型頭痛
2. 汎自律神経失調症
 ■ 概 念
3. ナルコレプシー
4. 周期性過眠症(Kleine-Levin症候群)

●「医学教育モデル・コア・カリキュラム」KEY WORDS
●“clinical eye”BOX 一覧
 
● Column 一覧
 1. 神経内科的診断法
 2. 感染するプリオン:生物学の原理への挑戦
 3. 変身するプリオン:正常型から病原型へ
 4. ALSの分子病理学:酵素の暴走?
 5. Parkinson病の病因はエネルギー危機? 蛋白分解の異常?
 6. 分子生物学がもたらした新しい疾患概念:トリプレットリピート病
 7. 脊髄小脳変性症の歴史をたどって
 8. 多系統萎縮症
 9. ホットな競争:Alzheimer病研究最前線
 10. 多発性硬化症(MS)の病因
 11. Charcot-Marie-Tooth病の分子生物学
 12. 片頭痛の原因:血管説から三叉神経血管説へ
 13. 分子生物学と神経内科学

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