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医療薬物代謝学(第2版)

薬物代謝学の知識を平易な言葉で分かりやすく解説。初学者の講義テキスト,副読本,自習書に最適の一冊!

医療薬物代謝学(第2版)

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   紙書籍 
鎌滝哲也(北海道大学名誉教授) 監修
高橋和彦(前北海道大学薬学部教授) 監修
山崎浩史(昭和薬科大学薬学部教授) 編
小澤正吾(岩手医科大学薬学部教授) 編
B5判,128頁,2色刷
2018/01/30発行
¥3,300(本体¥3,000+税¥300)
ISBN 978-4-86399-412-6
薬学部における「薬物代謝学」の教科書として,初心者に分かりやすい表現を徹底。
薬学教育モデルコアカリキュラム準拠。CBT試験対策に最適。
各章末の練習問題(国試出題例)で学習到達度をチェック。
重要事項はイラスト解説を加え,視覚的な学習をサポート。
薬物代謝学の講義テキストのみならず,副読本や自習書にも最適。

第2版まえがき
 薬物代謝とは,体内でくすりの形を変えることであり,その薬効や毒性を変動させる中心的な要因として注目されています.本書「医療薬物代謝学」の初版は,基礎的かつ専門的で薬物代謝学の知識を平易な言葉を使い,特に臨床的な意義を中心に要点を絞って,わかりやすくまとめることを意識し,医療薬学や衛生化学にまたがる領域の初学者のための書籍として作成されました.
 2010年の初版発刊から7年がたち,本書改訂の機会がやってきました.薬物代謝のエッセンスがぎっしり詰まった本書ですが,現行の薬科大学での新コアカリキュラムに準拠する薬物動態学領域の学部教科書としての位置づけに配慮し,構成を変更しました.すなわち,衛生薬学領域の記述を控え,薬物動態学として必要な,吸収,分布および排泄領域の記載を増やし,平易な記述方式にて統一的に整備統合することを第2版の編者として決断しました.
 幸い,初版原稿の再活用については,各著者の先生方の快諾が得られました.当初の本書の目的である薬物代謝を平易に深く理解するために,くすりが体内にとりこまれ,ひろがり,形が変えられて,体外にでていく全過程を繋ぐ編集方針としました.生まれ変わった「医療薬物代謝学第2版」が薬科大学あるいは関連領域の初学者の講義テキストであるだけでなく,副読本や自習書としても活用いただけることを願ってやみません.
 2017年11月

山崎浩史  
小澤正吾  

目次
1.薬物代謝学

 この章のポイントと目標
 1.1 薬物代謝の意義
  1.1.1 薬物代謝とは
  1.1.2 薬物代謝によってくすりの血中濃度と薬効・毒性が決まる
  1.1.3 薬物代謝と鑑識化学・ドーピング
  1.1.4 新薬開発にも生かされている薬物代謝の知識
 1.2 くすりの吸収から排泄まで
  くすりの吸収・分布・代謝・排泄
 1.3 薬物代謝に関与する酵素と薬物代謝反応
  1.3.1 薬物代謝反応の特徴─第一相・第二相反応と腸内細菌による薬物代謝の特徴
   コラム: シトクロムP─450の呼び名の変遷
  1.3.2 薬物代謝に関与する酵素の細胞内での局在性
 1.4 薬物代謝の臨床的意義
  1.4.1 薬物代謝に関与する酵素の遺伝的多型と個別化医療
  1.4.2 薬物代謝と薬物相互作用
  1.4.3 胎児と胎盤における薬物代謝
  1.4.4 加齢と薬物代謝
  1.4.5 疾患時における薬物代謝
 1.5 薬物代謝と毒性学
  1.5.1 解毒と代謝的活性化
  1.5.2 発がんと代謝的活性化
  1.5.3 標的臓器
  1.5.4 トキシコキネティックス
  1.5.5 化学物質の毒性を予測する代替試験法
 1.6 過去の国家試験出題例

2.薬物動態の基礎

 この章のポイントと目標
 2.1 くすりの体内動態と薬物代謝
 この節のポイントと目標
  2.1.1 くすりの体内動態と代謝
   a.血液の流れにのったくすりの運命
   b.くすりの体内動態の定義
  2.1.2 くすりの吸収,初回通過効果と腸肝循環
   a.バイオアベイラビリティ
   b.初回通過効果とくすりの投与経路
   c.受動拡散と能動輸送
   d.腸肝循環
  2.1.3 くすりの分布
   a.くすりの生体内分布
   b.分布速度
   c.分布容積
   d.血漿中タンパク質
   e.特定臓器への分布を制限するもの
  2.1.4 肝クリアランスと肝固有クリアランス
   a.全身クリアランス
   b.肝クリアランス
   c.肝固有クリアランス
   d.肝抽出率
   e.肝代謝の特徴によるくすりの分類
  2.1.5 くすりの血中濃度の非線形性と問題点
   a.非線形性
   b.ミカエリス・メンテン式
   c.臨床的意義と実際例
  2.1.6 くすりの排泄
   a.くすりの排泄機構
   b.くすりの尿中排泄機構
   c.くすりの胆汁中排泄機構
 2.2 薬物代謝に関与する酵素系
 この節のポイントと目標
  2.2.1 第一相・第二相反応と腸内細菌による代謝
   a.くすりの体内動態と代謝
   b.第一相反応を触媒する酵素群
   c.第二相反応を触媒する酵素群
  2.2.2 第一相反応に関与する酵素とその反応
   a.シトクロムP─450
   コラム: ミクロソーム画分とは
   コラム: 基質特異性の低いシトクロムP─450の謎
   b.フラビン含有モノオキシゲナーゼ
   c.カルボキシルエステラーゼ
   d.その他の酵素
  2.2.3 第二相反応に関与する酵素とその反応
   a.グルクロン酸転移酵素
   b.硫酸転移酵素
   c.グルタチオンS─転移酵素
   d.アセチル転移酵素
   e.アミノ酸抱合酵素系
   f.その他の抱合酵素
  2.3 過去の国家試験出題例

3.薬物代謝の医療における意義

 この章のポイントと目標
 3.1 くすりの体内動態と薬効の変化(1)─内的要因─
 この節のポイントと目標
  3.1.1 薬物代謝に影響を及ぼす因子
   a.人種差
   b.性 差
   c.小 児
   d.高齢者
   e.疾 患
  3.1.2 遺伝子多型を示す薬物代謝酵素と個別化医療(テーラーメイド薬物療法)
   a.概 説
   b.シトクロムP─450
   c.アルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素
   d.ジヒドロピリミジン脱水素酵素
   e.チオプリンS─メチル転移酵素
   f.カテコールO─メチル転移酵素
   g.その他の酵素の遺伝子多型とその臨床的意義
 3.2 くすりの体内動態と薬効の変化(2)─外的要因─
 この節のポイントと目標
 薬物代謝と薬物相互作用
   a.シトクロムP─450が関与する薬物相互作用
   b.シトクロムP─450以外の酵素が関与する相互作用
 3.3 過去の国家試験出題例

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