本書は,がん治療認定医などの腫瘍学関係の試験対策のみならず,最新のガイドラインに基づいた総合的な「臨床腫瘍学の問題集」である。
医師に関するがん関連の資格試験は,我が国におけるがん医療水準の均てん化と向上のために始まった。これらの筆記試験は広範囲ではあるが,primitiveなもので,本来,がん診療を行う者の全てが知っておくべき良問ばかりである。
旧版では,以下の受験者から有益であったと聞き望外の喜びである。
・がん治療認定医試験
・がん専門薬剤師試験
・がん薬物療法専門医試験
・がん看護専門看護師試験
・認定内科医試験
・認定看護師試験(がん化学療法,がん性疼痛,緩和ケア)
・外科専門医試験
・MR認定試験
oncologyは日進月歩で,2018年にWHOのオピオイド使用の5原則が4原則になったり,2016年に膵がんのⅣa・ⅣbがⅣ期に統一されるなど,ガイドラインは頻回に改訂される。しかも,各臓器のがん治療のガイドラインの改訂の時期が異なるため,最新のデータを一冊にまとめるのはかなり難しい。このため第9版でも,日々,実地臨床にたずさわっている新進気鋭の先生方に加わっていただき,がんにたずさわる医師がタイムリーに日頃のoncologyの知識の整理ができるようにした。また医師のみならず,薬剤師,看護師,医療関係の学生にも,知識の確認に最適と自負している。
令和3年8月
井上大輔