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コアカリ生理学

CBT/国試の勉強はこれ1冊でOK! コア・カリキュラムに沿って人体の生理をわかりやすく解説

コアカリ生理学

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藤井 聡(山形大学教授)
山崎良彦(山形大学准教授)
B5判,288頁,2色刷
2008/08/28発行
¥4,180(本体¥3,800+税¥380)
ISBN 978-4-87211-889-6
コア・カリキュラムの「一般目標」「到達目標」に沿って,細胞レベルから全身まで,人体の生理をわかりやすく解説。
豊富な図版を使った「目で見てわかる」生理学のテキスト。
“演習編”では実践的な問題で「解答のポイント」を伝授。
    [正誤情報]

序文にかえて
 私は学生時代には生理学が全くわかりませんでした。医学部専門課程に進んだ直後は,先輩達が白衣のポケットに聴診器を入れながら楽しそうに専門用語を交えて会話しているのをみて,密かに胸を高鳴らせながら生理学の講義に出席しました。しかし,講義内容がさっぱりわからず,すぐにドロップアウトしてしまいました。学年末に受けた試験は当然のごとく落第しました。以来,年1回行われる追試を受けて3回目に合格し,やっとの思いで卒業しました。追試に受かった時にこれで生理学とは生涯縁が切れると思うと本当に嬉しかったのを覚えています。さて,そんな私が卒業後10年間ほど臨床医として働いた後に再び生理学に縁ができ,山形大学で神経生理学を研究し始めました。
 それからしばらくして「医学教育モデル・コア・カリキュラム」が導入されました。コアカリキュラムでは,各器官および臓器別に必須知識の獲得と理解を「一般目標」とし,その具体的な学習内容を「到達目標」にあげています。多くの大学で医学教育が,コアカリキュラムに沿い器官・臓器別の講義・実習に再編されました。したがって,生理学でも,基礎医学教育終了後に行われる臨床教育を念頭に入れ,臓器・組織の正常機能の知識を満遍なく学生に講義する必要が生じました。これは,いままで研究の延長線上に存在していた日本の生理学教育の大転換点であったように思われます。
 本書では,細胞生理学に始まる各器官・臓器の正常機能について,コアカリキュラムの要求に沿い,各章の「チェック項目」に記載しました。そして,各章に「C point」を設け演習問題を解くことで,コアカリキュラム上必要な生理学知識を整理し,さらに臨床医学にも通じる知識を獲得できるようにしました。生理学の勉強が済んでいる場合は,演習問題を解くだけでも良いでしょう。また,皆さんが学ぶ「医学」は,耳学問という側面があります。何かの足しにと思い,関連する雑学的な知識を「Memo」として加えることにしました。
 学生時代,生理学が不得意だった私の経験からも,本書を読み,問題を解くうちに,コアカリキュラムが要求する生理学的知識が整理されてゆくのではないか,と期待しています。
 本小著は,私と准教授の山崎良彦博士とで執筆したものですが,そのすべての不手際と基本的事実の理解不足は,私達の至らなさのためです。皆様方のご指摘があれば今後改訂していきたいと思います。とくに,「C point」は医師国家試験の問題もとり入れましたが,必要に応じて今後追加・改訂したいと思っています。ただし,本書はあくまで「要点」を概説するためのものであり,複雑な生命現象を詳細かつ完全に解説したものではありません。日ごろの学習には国内外の標準的な教科書が必要であることは言うまでもありません。
 最後に,小著を執筆するに当たって医学評論社編集部の忍耐強いご援助がありましたことにお礼申し上げます。

 2008年7月 月山を望みながら

 山形大学医学部生理学講座 藤井 聡

目次
1. 細胞の基本構造と機能
 1) 細胞膜の構造と機能を説明できる
 2) 細胞内液・外液のイオン組成,静止膜電位が説明できる
 3) 膜のイオンチャネル,ポンプ,受容体と酵素の機能を説明できる
 4) 細胞膜を介する物質の能動・受動輸送過程を説明できる
 5) 細胞膜を介する分泌と吸収の過程を説明できる
 6) 細胞内輸送システムについて説明できる
 演習篇 C point
  1.1 細胞膜の構造と機能
  1.2 細胞内液・外液のイオン組成,浸透圧と静止膜電位
  1.3 体液の浸透圧について
  1.4 静止膜電位
  1.5 細胞膜を介する分泌と吸収の過程
  1.6 膜のイオンチャネル,ポンプ,受容体と酵素の機能
 Memo
  膜の担体とイオンチャネル/二次性能動輸送

2. 個体調節機構とホメオスタシス
 1) 情報伝達の種類と機能を説明できる
 2) 受容体による情報伝達の機序を説明できる
 3) 細胞内シグナル伝達過程を説明できる
 4) 生体内におけるカルシウムイオンの多彩な役割を説明できる
 演習篇 C point
  2.1 情報伝達の基本
  2.2 情報伝達の種類と機能
  2.3 受容体による情報伝達の機序と細胞内シグナル伝達
  2.4 神経伝達物質およびホルモン受容体の種類について
  2.5 細胞内におけるカルシウムイオンの役割
 Memo
  Gタンパク質(GTP結合タンパク質)共役型受容体

3. 神経による情報伝達
 1) 神経組織の微細構造を説明できる
 2) 活動電位の発生を説明できる
 3) 活動電位の伝導を説明できる24
 4) シナプス(神経・筋接合部を含む)の形態とシナプス伝達の機能(興奮性,抑制性)と可塑性を説明できる
 5) 軸索輸送,軸索の変性と再生を説明できる
 6) 反射(弓)を説明できる,脊髄反射(伸張反射,屈筋反射)と筋の相反神経支配を説明できる
 演習篇 C point
  3.1 神経組織の微細構造
  3.2 活動電位の発生機構
  3.3 活動電位の伝導
  3.4 シナプスの形態と機能
  3.5 脊髄反射について
 Memo
  ギラン・バレー症候群/シナプス可塑性/神経伝達物質の開口放出とボツリヌス毒素

4. 筋肉の構造と機能
 筋組織について,骨格筋,心筋,平滑筋の構造と機能を対比して説明できる
 演習篇 C point
  4.1 骨格筋の構造
  4.2 骨格筋の収縮と神経筋接合部
  4.3 筋収縮機構
 Memo
  神経筋接合部アセチルコリン受容体の阻害と筋弛緩

5. 神経系の構造と機能
 1) 中枢神経系と末梢神経の構成を概説できる
 2) 脊髄の構造・機能局在と伝導路について
 3) 脳幹と脳神経
 4) 小脳の機能と構造
 5) 視床・大脳基底核の構造と機能
 6) 視床下部の構造と機能
 7) 大脳皮質の構造と機能
 演習篇 C point
  5.1 脳神経
  5.2 自律神経系の活動
  5.3 脊髄損傷と自律神経
  5.4 脊髄障害による一般症状(1)
  5.5 脊髄障害による一般症状(2)
  5.6 脊髄障害による一般症状(3)
  5.7 脳幹機能と神経核
  5.8 脳幹機能とその障害(1)
  5.9 脳幹機能とその障害(2)
  5.10 脳幹機能と意識障害
  5.11 小脳の構造と機能
  5.12 小脳の機能と障害
  5.13 大脳基底核と錐体外路症状
  5.14 大脳基底核の病変と不随意運動
  5.15 パーキンソン病
  5.16 大脳皮質の機能局在
  5.17 植物状態
  5.18 植物状態と脳死
 Memo
  意識障害と脳血流/小児における意識障害の定量的評価法/ロンベルグ徴候/パーキンソン病の治療薬

6. 感覚の生理学と感覚器
 1) 視覚情報の受容の仕組みと伝導路を説明できる
 2) 聴覚・平衡覚器官の構造と機能について
 3) 嗅覚と味覚の受容機序と伝導路を概説できる
 4) 表在感覚と深部感覚の受容機序と伝導路を説明できる
 演習篇 C point
  6.1 眼球の構造と視覚情報の受容
  6.2 視神経回路
  6.3 聴覚伝導路について
  6.4 聴覚伝導路と聴力検査
  6.5 味覚検査
  6.6 表在感覚と受容器
 Memo
  騒音性難聴とヘッドフォン

7. 腎・尿路系(体液・電解質バランスを含む)
 1) 体液の量と組成・浸透圧を小児と成人を区別して説明できる
 2) 腎尿路系の位置・形態と血管分布・神経支配を説明できる
 3) 腎の機能の全体像やネフロン各部の構造と機能を概説できる
 4) 腎糸球体におけるろ過の機序を説明できる
 5) 尿細管各部における再吸収・分泌機構と尿の濃縮過程が説明できる
 6) 水電解質・酸塩基平衡の調節機構を概説できる
 7) 腎に作用するホルモン・血管作動性物質の作用を説明できる
 8) 蓄排尿の機序を説明できる
 演習篇 C point
  7.1 腎臓の解剖学
  7.2 腎に作用するホルモン・血管作動性物質
  7.3 腎機能の評価法
  7.4 ネフロンの機能(1)
  7.5 ネフロンの機能(2)
  7.6 ネフロンの機能(3)
  7.7 アルドステロンと腎臓
  7.8 腎臓と電解質・酸塩基平衡
  7.9 活性型ビタミンD
 Memo
  腎臓における血液浸透圧の調節

8. 内分泌・代謝
 1) ホルモンを構造から分類し作用機序を説明できる
 2) ホルモンの分泌調節機構を概説できる
 3) 各内分泌器官の位置を図示し,そこから分泌されるホルモンを列挙できる
 4) 視床下部・下垂体ホルモンの名称,作用と相互関係を説明できる
 5) 甲状腺と副甲状腺(上皮小体)から分泌されるホルモンの作用と分泌調節機構を説明できる
 6) 副腎の構造と分泌されるホルモンの作用と分泌調節機構を説明できる
 7) 膵島から分泌されるホルモンの作用を説明できる
 8) 男性ホルモン・女性ホルモンの合成・代謝経路と作用を説明できる
 9) 妊娠と分娩
 演習篇 C point
  8.1 下垂体前葉機能
  8.2 甲状腺ホルモン
  8.3 女性の月経周期
  8.4 ホルモンと乳房
  8.5 性ホルモンと思春期発来
  8.6 副腎髄質ホルモン
  8.7 血糖値と内分泌
  8.8 カルシウムの濃度調節とホルモンについて
  8.9 骨粗鬆症
 Memo
  高プロラクチン血症/甲状腺ホルモン代謝活性と補充療法/血漿カルシウム値の補正

9. 消化器と栄養
 1) 口腔・咽頭・食道における消化(消化管運動の仕組みを説明できる)
 2) 胃における消化
 3) 小腸における消化と吸収
 4) 大腸における消化と吸収
 5) 肝臓の構造と機能
 演習篇 C point
  9.1 胃酸分泌促進因子
  9.2 胃酸分泌とヒスタミン受容体
  9.3 消化管ホルモン
  9.4 消化酵素
  9.5 胃の消化運動と消化液
  9.6 胆汁分泌と胆嚢
  9.7 小腸と大腸
  9.8 肝臓とオルニチン回路
  9.9 ビタミンB群
 Memo
  胃酸分泌機序と抗潰瘍薬/胆嚢の機能/腸管免疫/コレステロールの代謝/高コレステロール血症と食事療法/高脂血症の分類

10. 循環器系
 1) 心臓の構造と分布する血管・神経を説明できる
 2) 心筋細胞の微細構造と機能を説明できる
 3) 心筋細胞の電気現象と心筋の興奮伝導系を説明できる,興奮収縮連関を概説できる
 4) 心周期に伴う血行動態を説明できる,心機能曲線と心拍出量の調節機序を説明できる
 5) 血圧調節の機序を説明できる
 6) 毛細血管における物質・水分交換を説明できる
 7) 胸管を経由するリンパの流れを概説できる
 8) 主な臓器(脳,心,肺)の循環調節を概説できる
 演習篇 C point
  10.1 心筋の電気的特性
  10.2 心電図
  10.3 心 音
  10.4 心周期
  10.5 フランク─スターリングの法則
  10.6 末梢血管
  10.7 血液循環と静脈還流
  10.8 体液量調節
  10.9 特殊循環系
  10.10 高カリウム血症と心停止
 Memo
  血管各部位の血圧とその変化/平均血圧とは?/高カリウム血症と緊急処置/正常血圧値について/高血圧について/低血糖障害の進行

11. 呼吸器系
 1) 呼吸器の構造の概略
 2) 呼吸筋と呼吸運動の機序を説明できる
 3) 肺気量と肺・胸郭系の圧・容量関係(コンプライアンス)を説明できる
 4) 肺胞におけるガス交換と血流量の関係を説明できる
 5) 肺の換気(換気血流比)が血液ガスに及ぼす影響を説明できる
 6) 呼吸中枢を介する呼吸調節の機序を説明できる
 7) 血液による酸素と二酸化炭素の運搬の仕組みを説明できる
 演習篇 C point
  11.1 呼吸筋
  11.2 肺コンプライアンス
  11.3 肺サーファクタント
  11.4 肺気量と呼吸曲線
  11.5 呼吸機能
  11.6 肺循環系と換気血流比
  11.7 呼吸リズムについて
  11.8 血液による酸素と二酸化炭素の運搬と高所順応
 Memo
  換気機能障害の分類/脳血流代謝カップリング/酸素欠乏症/高度症/高山病

12. 血液・造血器・リンパ系
 1) 赤血球とヘモグロビンの構造と機能を説明できる
 2) 白血球の種類と機能を説明できる
 3) 血小板の機能と止血や凝固・線溶の機序を説明できる
 4) 血液型
 演習篇 C point
  12.1 血液細胞の産生
  12.2 腎不全と貧血
  12.3 白血球およびリンパ球の機能
  12.4 免疫グロブリン
  12.5 血小板凝集阻害薬の作用機序
  12.6 ABO式血液型
  12.7 血液型適合検査
 Memo
  薬物と血液凝固/血液型の分布/血液型と性格/貧血の分類/エリスロポエチンとドーピング

13. 胎児・新生児・乳児の生理学
 1) 胎児循環の特殊性
 2) 胎児呼吸器系の発達
 3) 出生時の心血管系の変化(娩出に伴う側副血行路の閉鎖)
 4) 新生児の生理機能
 演習篇 C point
  13.1 胎児循環の特殊性
  13.2 動脈管
  13.3 新生児の呼吸
  13.4 小児の生理機能
  13.5 母乳について
  13.6 小児期の体液調節機能
  13.7 成長期の生理学と骨年齢
  13.8 骨年齢
 Memo
  乳幼児突然死症候群

14. 加齢と老化の生理学
 加齢に伴う臓器の構造と機能の変化を説明できる
 演習篇 C point
  14.1 加齢および老化
  14.2 加齢による呼吸・循環系の変化

15. 体温調節とエネルギー代謝
 1) 熱産生と仕事
 2) 体温の平衡
 3) 末梢温度受容器による温度情報処理
 4) 中枢温度受容器と体温調節
 5) 発 熱
 6) 体温調節障害
 演習篇 C point
  15.1 熱産生
  15.2 熱放散
  15.3 体温調節中枢と機能喪失
 Memo
  汗腺の発達と環境/汗腺の分布と発汗の種類/高温障害

16. 生体とリズム
 1) 概日周期の細胞メカニズム(視交叉上核ニューロン)
 2) 概日周期と光受容機構
 3) 睡眠について
 4) 睡眠覚醒リズム
 演習篇 C point
  16.1 概日周期と内分泌
  16.2 睡眠リズム
 Memo
  睡眠障害について/交替性勤務と睡眠障害/睡眠障害と睡眠薬/寝酒は不眠に効果的か?

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