『イラストで見る診る看る:基礎看護学』は1999(平成11)年に第1版が発行されてから12年が経ち,この間2回改訂を行ってきました。今回は3回目の改訂となり看護国試シリーズ『みるみる基礎看護(第4版)』として発刊することになりました。今までよりも少し小さな判型になりましたが,内容はより充実したものとなっています。
この12年の間には医療や看護を取り巻く社会情勢がめまぐるしく変化しています。それに伴って看護師国家試験の出題基準も少しずつ変わり,出題傾向も変化してきています。これらのことから今回の改訂では,国家試験の出題傾向をみながら出題基準に準拠したものに編成し直しました。改訂にあたって配慮した点は次の内容です。
・出題基準に準拠し,その内容がすべて網羅されるように要点をまとめました。
出題基準の内容をみるといくつか同じような項目もでてきますが,それは関連付けて覚える必要のあるものです。わかりやすい言葉で端的にまとめてありますので,短時間で重要なポイントを理解することができます。
・既出問題チェックではできるだけ新しい問題(第95回から第100回)を取り上げて解説しました。
国家試験は出題基準に沿って出題されますが,そのときの医療や看護の動向も反映されていますので,それらの動向にも敏感になって情報をキャッチし対策を立てて学習する必要があります。
また,同じような内容が繰り返し出題されていますが,同じ出題内容でも少しずつ視点を変えた設問になっています。どのような方向から出題されても正解が得られるように確かな知識を身につけていることが大切です。
・他の領域の既出問題も組み入れて解説しました。
他の領域の出題内容をみると基礎看護学の知識があれば解答できる問題がいくつかみられます。基礎看護学をしっかり学んでおけば応用できるということです。
本書は国家試験対策のみではなく,テキストでは要点がつかめなかった場合のサブテキストとして自己学習時に活用できます。
本書を活用しポイントをおさえた効率のよい学習により,基礎看護学の知識を身につけられるように願っています。
平成23年5月
玉木ミヨ子