2000年に,看護学生・新人看護師さんの学習参考書としてこの本を出版してから早19年が経過しました。その後,全国各地から看護学生・看護師さんのほか,看護学校の先生,薬剤師さんたちがこの本を役立ててくださっているという嬉しいお便りを頂戴し,ありがたく思っています。
この本は,与薬に関する看護全般についてまとめてあります。学校での授業時間だけでなく,臨地実習,看護の現場において,必要時に独学でも役立てられる内容です。
初版からこの本で配慮している点と,今回加筆・修正した点は,以下の通りです。
① | 看護の安全教育がより叫ばれている昨今,事故事例と安全対策の内容を充実。 |
② | 注射の安全部位の根拠を正確で緻密な解剖図で説明。 |
③ | 注射の手技は,できるだけ実施者の目線から見た手位置の写真で掲載。実施者の正面から撮影した写真の場合,初学者にはわかりにくいからです。 |
④ | できるだけ最新の器具を紹介。 |
⑤ | 看護は人相手の仕事であり,看護する時に人間的で温かい配慮が重要となるため,実践で活かせるような与薬時の言葉がけの例や態度のポイントを説明。 |
⑥ | 第2版改訂以降,時代の変化に応じ “看護師” ・ “厚生労働省” へ名称を変更。2002年より,厚生労働省の「静脈注射は看護師業務の範疇」という解釈に変更。 |
⑦ | 第4版から,「注射針」や「輸液・輸血セット」は国際標準化機構(ISO)規格へ統一。 |
⑧ | 第5版では,コアリングに関する様々な考え方をシンプルに整理。 |
⑨ | 今回の改訂第6版では,感染予防のためスタンダードプリコーション(標準予防策)を徹底。 |
最後になりましたが,本書出版にあたりテコム 出版事業本部の中村亮子様,小林奈央様,協力企業の皆様,家族・知人,多くの方々に協力を頂きました。心より感謝申し上げます。
2019年2月
了コ寺大学健康科学部看護学科 准教授
石塚睦子