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疾病薬学

薬学6年制に向けた医療薬学のやさしいテキスト!

疾病薬学

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   紙書籍 
百瀬弥寿徳(東邦大学薬学部教授)編
橋本敬太郎(横浜薬科大学教授)編
著者一覧
[みみずく舎:発行]
B5判,378頁,1色刷
2007/11/20発行
¥5,940(本体¥5,400+税¥540)
ISBN 978-4-87211-836-0
薬学6年制に向けた医療薬学系科目の平易なテキスト。
コンパクトな全14章にまとめ,各章の最初には導入部分として「総論」を,また章末には内容の理解を確認するため「演習問題」を記載。
各章では,知らなければならない必要最小限の疾患について,その概念・病態・症候・診断・治療などについて薬学生が理解できるよう記載。
巻末には演習問題の解答と,その解説をできるだけわかりやすく丁寧に記載,またさらに学びたい人のためため各章ごとに「参考書」をピックアップ。

はじめに
 薬学教育六年制がスタートした現在,なぜ2年間の年限延長がなされたかを考えるとき医療薬学教育の充実にあったことは異論のない事実である.今後,薬剤師には,医師からも患者からも信頼され,適性かつ最良の薬物治療を行うことができうる高い知識と優れた技能を身につけることが求められる.そして,このような優れた薬物治療を遂行するためにはまず疾患を理解することが極めて重要となる.
 今日,疾患の概念,症状,検査値,疫学,また各学会が公表しているガイドラインなどの知識は多様なメディアを介して容易に入手でき,時に医師が驚くほど病気に詳しい知識を持ち合わせる患者に出会うことも稀ではないともいわれる.こうした臨床医ですら患者の断片的な話に振り回される現実があることを考えると,薬剤師にどの程度まで疾患を理解する必要があるかは議論の余地があろうが,薬剤師が患者に信頼されるためには病気を病態生理学など学問的立場から捉えることが大切である.
 処方された薬の服用により自身の病気がどのように改善するかを患者に納得させるためにはより詳細な病態生理学の知識の必要性がこの薬学教育六年制で実現したと考えられる.信頼される薬剤師の条件の一つに「病気に詳しい薬剤師」があげられる.事実,薬局に来た患者の多くは自身の病気について「どうなのか」といった疑問や悩みを薬剤師に訴えることが多々ある.「あの薬剤師は病気について全然知らない」といった評価が下されては,薬剤師の医学的知識に対する評価が低下し,患者からの信頼を失い,医療薬学教育の意義がなくなりかねない.疾病と薬物治療は裏表の関係にあり,「なぜこの薬剤を服用されたのか」,「この薬の服用によって病気がどう改善されるのか」,「いつまでこの薬を飲まなければいけないのか」といった疑問に答える際,病態生理学を通した疾病の理解は重要となる.
 北米の教科書では疾病解析や薬物治療学に関する著書の多くがPharmacy Doctor によって執筆されており,その内容は極めてレベルの高いものである.この事実は,薬剤師も場合によっては医師と同等の臨床医学の知識を持つことが可能になることを示しているともいえよう.いずれは薬剤師に処方権が与えられる時代が来るとしても,今日,学問としての臨床医学を疾病薬学として捉え学ぶ重要性を感じる.医療に携わる医師,看護師,検査技師,栄養士など多くの医療人から薬剤師は臨床医学に精通しているといった評価が持たれることがスムーズに臨床現場に入りやすい環境づくりになる.
 本書は,薬学教育六年制がスタートした今日,薬学教育の課題ともなった疾患の理解と知識を「疾病薬学」として学ぶために編集した企画である.薬学生はもとより多くの薬剤師がこの教科書を通じて臨床医学に精通することになれれば編者としては望外の喜びである.
 最後に本著の出版に多大なご苦労をいただいたみみずく舎ならびに医学評論社の方々へ感謝を申し上げる.

平成19年10月31日

編者  百瀬 弥寿徳
橋本 敬太郎

目次
1 総 論
 1.1 医学概論
 1.2 EBM(Evidence Based Medicine)
 1.3 症候
  演習問題

2 中枢神経疾患,感覚器疾患,運動機能性疾患
 総 論
 2.1 脳血管障害
 2.2 統合失調症(精神分裂病)
 2.3 気分(感情)障害
 2.4 アルツハイマー病,アルツハイマー型痴呆
 2.5 パーキンソン病,パーキンソン症候群
 2.6 てんかん
 2.7 不安障害(神経症)
 2.8 眼疾患
 2.9 メニエール病,めまい,片頭痛,ナルコレプシー
 2.10 重症筋無力症,進行性筋ジストロフィー
  演習問題

3 循環器疾患
 総 論
 3.1 心不全
 3.2 不整脈
 3.3 虚血性心疾患
 3.4 深部静脈血栓症,大動脈瘤
 3.5 高血圧・低血圧
  演習問題

4 呼吸器疾患
 総 論 
 4.1 呼吸器感染症
 4.2 アレルギー・免疫疾患
 4.3 間質性肺疾患
 4.4 肺塞栓症
  演習問題

5 免疫疾患
 総 論
 5.1 アレルギー
 5.2 免疫不全症
 5.3 膠原病
  演習問題

6 血液疾患
 総 論
 6.1 赤血球の異常
 6.2 白血球の異常
 6.3 出血性疾患
  演習問題

7 消化器疾患
 総 論
 7.1 食道疾患
 7.2 胃・十二指腸・小腸・大腸疾患
 7.3 肝疾患
 7.4 胆嚢・胆道疾患
 7.5 膵疾患
  演習問題

8 内分泌疾患
 総 論
 8.1 甲状腺疾患
 8.2 視床下部・下垂体疾患
 8.3 副腎皮質・副腎髄質疾患
 8.4 性腺疾患
  演習問題

9 代謝疾患
 総 論
 9.1 骨粗鬆症
 9.2 糖質代謝異常
 9.3 高脂血症
 9.4 肥満
 9.5 高尿酸血症・痛風
  演習問題

10 感染症
 総 論
 10.1 細菌感染症
 10.2 ウイルス
 10.3 真菌感染症
 10.4 原虫・寄生虫感染症
  演習問題

11 皮膚疾患
 総 論
 11.1 アトピー性皮膚炎
 11.2 じんま疹
 11.3 光線過敏症
  演習問題

12 婦人科疾患
 総 論
 12.1 月経異常
 12.2 更年期障害
 12.3 子宮筋腫
  演習問題

13 がん・悪性腫瘍
 総 論
 13.1 頭頸部がん
 13.2 消化器のがん
 13.3 肺がん
 13.4 女性のがん
 13.5 その他のがん
 13.6 脳腫瘍
  演習問題

14 救急・救命医療
 総 論
 14.1 ショック
 14.2 熱傷
 14.3 急性中毒
  演習問題

参考書
演習問題解答

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