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『基礎から理解する化学』
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基礎から理解する化学1. 物理化学

高校化学の延長から大学で専門科目を学ぶ入り口までの間を,学生に十分に理解できる内容に重点をおいた物理化学のテキスト

基礎から理解する化学1. 物理化学

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北村彰英(千葉大学大学院工学研究科共生応用化学専攻教授)
久下謙一(千葉大学大学院融合科学研究科情報科学専攻教授)
森山広思(東邦大学大学院理学研究科化学専攻教授)
一國伸之(千葉大学大学院工学研究科共生応用化学専攻准教授)
島津省吾(千葉大学大学院工学研究科共生応用化学専攻教授)
[みみずく舎:発行]
B5判,152頁,1色刷
2008/11/26発行
¥2,420(本体¥2,200+税¥220)
ISBN 978-4-87211-904-6
2単位30時間授業に対応した内容。
学部教育と大学院教育との連携の中で、橋渡しとなる専門基礎教育用の教科書。
化学を専門としない理系の学生にも必要な物理化学の知識を提供。
学生が一般に不得手としている原子・分子の概念を平易に述べるとともに、理想・実在気体、熱力学、相平衡、化学平衡、電気化学、反応速度など物理化学の基礎範囲をコンパクトに解説。
    [正誤情報]

シリーズ 刊行にあたって
 大学教育を考えるとき,学生を世の中に自信をもって送り出す教育を行うことが重要なのはいうまでもありません.そこには教育カリキュラムを充実させるということが常に課題になっています.教育カリキュラムは一貫したものでなければなりません.教養教育,専門基礎教育,専門教育,これら種々の教育が一体化してはじめて学生を自信をもって社会に送り出せるようになるのです.そうはいっても一体化が難しいのも事実です.教養教育と専門教育,あるいは専門基礎教育と専門教育の企画運営の組織が異なる場合が多くの大学で見られます.組織の違いを乗り越えて,一体化するのは大変なことと思います.また,近年,高等学校の教育と大学教育との乖離も多くいわれています.大学としては教育カリキュラムに対応できる学生を入学させているはずで,本来,乖離がないか,あったとしても学生個人が対応できる範囲のもののはずです.しかしながら,現実はそうではないのはよく知られているところです.
 これらの状況の下,少なくとも化学の分野でカリキュラムを考えたとき,どのような教科書が必要になるのか,その答えがこのシリーズと考えていただければと思います.一冊毎の内容は2単位30時間授業に対応しています.物理化学や有機化学などは高校で教わるレベルを考慮した内容になっています.したがって,これらは化学を専門としない理系の教科書としても使えます.理系専門基礎教育用といってよいでしょう.それ以外のものはもう少しレベルが高い内容になっています.すなわち,専門教育用の教科書になります.一部の教員の方はもっと高度な内容を期待されるかもしれませんが,学部教育と大学院教育との連携を考えると,学部の専門教育用としてはこのレベルで十分と我々は考えました.これ以上のレベルは大学院の教育を実質化することで対応するべきと考えるのは我々だけでしょうか.
 シリーズの位置付け,内容等にご理解いただき,利用していただければ幸いです.
 企画委員
 北村 彰英
 幸本 重男
 岩舘 泰彦

ま え が き
 本教科書は,専門基礎科目としての物理化学の教科書である.ただ,ここでいう専門基礎科目の定義は学部・学科によって異なる.すなわち,化学を専門とする学部・学科においては,高校の化学と大学の専門の化学のつなぎになる科目である.一方,化学を専門としない理系の学部・学科においては,専門知識を習得するために必要な化学の知識を学ぶ科目になる.このことから考えると,本来,教科書は別々の内容のものが必要と思われる.しかしながら,実際には同一の教科書で十分というのが我々の考えである.すなわち,現状の教育課程を考えると,専門科目が非常に細分化され,またその内容が高度なものになっている.その理由は,卒業時には少なくともこれだけの知識は身につけてほしいという教員側の希望のためと思われるが,このことにより,専門基礎科目の位置付けを専門科目を学ぶ入り口とすると,結果的に教育内容が難しくなり,理解できない学生が増えてしまう.むしろ高校の化学の延長と考え,多くの学生が理解できる内容に重点を置き,内容の理解とともに自信を付けさせて先に進めることのほうが,教育効果が上がると考えている.そうはいっても,あまりにも易しすぎると逆に勉学意欲を失ってしまう.その兼ね合いが難しいが,我々の長い教育経験から,このレベルがちょうどよいであろういうことで作られたのがこの教科書である.
 物理化学は化学の柱の一つであり,しっかりと理解する必要がある.そのため,高校でも物理化学の内容に多くの時間を割いて教えられている.しかしながら,高校の化学では,原子・分子の概念に関する教育が少し弱い.そこで,この教科書では2章と3章で比較的詳しく述べてある.初めて学ぶ人にとっては難しく感じるかもしれないが,ぜひ頑張って理解してもらいたい.その他の章は,教科書を読み,授業を聞くことによって理解できると思う.ただ,大学の教育内容なので,ただ単にこの教科書を持って講義を聞いても理解できない.講義の前にこの教科書を読み,授業の後でこの教科書を読みなおして理解することが重要である.書いてある内容がもの足りなく思えたら,かなり実力がついたと考えてよいし,ぜひそのレベルまで到達してもらいたいと思う.
 平成20年10月
 著  者
 久下 謙一
 森山 広思
 一國 伸之
 島津 省吾
 北村 彰英

目次
1.物理化学とは
 1.1 物理化学の3つの柱
 1.2 微視的性質と巨視的性質
 1.3 単位について
 練習問題

2.原子のなりたち
 2.1 原子の構造
 2.2 前期量子論
 2.3 光電効果
 2.4 物質波
 2.5 水素原子の輝線スペクトル
 2.6 ボーアの量子条件
 2.7 シュレディンガーの波動方程式
 2.8 原子の電子配置と周期表
 2.9 イオン化ポテンシャルと電子親和力
 練習問題

3.分子のなりたち
 3.1 共有結合
 3.2 π共役分子
 3.3 化学結合のいろいろ
 練習問題

4.理 想 気 体
 4.1 気体の物理量
 4.2 ボイルの法則
 4.3 シャルルの法則と絶対零度
 4.4 アボガドロの法則
 4.5 理想気体の状態方程式
 4.6 混合気体
 4.7 気体分子運動論
 練習問題

5.実 在 気 体
 5.1 分子間力
 5.2 圧縮因子
 5.3 ビリアル係数
 5.4 凝 縮
 5.5 臨界定数
 5.6 ファンデルワールス式
 練習問題

6.熱力学第一法則
 6.1 熱力学の系とエネルギー
 6.2 可逆過程と不可逆過程
 6.3 熱力学第一法則
 6.4 エンタルピー
 6.5 熱容量
 6.6 相変化とエンタルピー
 6.7 熱化学方程式と反応エンタルピー
 6.8 標準生成エンタルピー
 6.9 結合解離エンタルピー
 6.10 エンタルピーの温度依存性
 6.11 断熱変化
 練習問題

7.熱力学第二法則と熱力学第三法則
 7.1 自発変化とエントロピー
 7.2 熱力学第二法則
 7.3 熱エンジンモデルと熱効率
 7.4 等温可逆過程におけるエントロピー変化
 7.5 エントロピーの温度依存性
 7.6 エントロピーの体積と圧力依存性
 7.7 混合エントロピー
 7.8 熱力学第三法則―絶対エントロピーとの関係―
 7.9 自由エネルギー
 7.10 標準生成自由エネルギー
 7.11 自由エネルギーと平衡定数
 練習問題

8.相  平  衡
 8.1 相転移
 8.2 平 衡
 8.3 状態図
 8.4 相転移の熱力学的解析
 8.5 化学ポテンシャル
 8.6 束一的性質
 練習問題
 COLUMN:氷の上はなぜ滑る?

9.化 学 平 衡
 9.1 化学平衡と平衡定数
 9.2 ルシャトリエの法則を用いた平衡の移動の定性的取り扱い
 9.3 平衡定数を用いた平衡の移動の定量的取り扱い
 9.4 平衡定数と自由エネルギーとの関係
 9.5 平衡定数の温度による変化
 練習問題

10.イオンを含む平衡
 10.1 電解質と電離平衡
 10.2 電解質の溶解
 10.3 酸と塩基
 10.4 酸解離定数
 10.5 水のイオン積
 10.6 塩基の解離平衡
 10.7 加水分解
 10.8 中 和
 10.9 緩衝液
 練習問題

11.電 気 化 学
 11.1 酸化と還元
 11.2 酸化数
 11.3 化学電池
 11.4 標準電極電位
 11.5 起電力
 11.6 電池反応の平衡定数
 11.7 電気化学系列
 11.8 標準モルギブズ関数
 11.9 実用電池
 練習問題
 COLUMN:燃料電池

12.反 応 速 度
 12.1 反応速度の表し方
 12.2 反応次数
 12.3 1次反応
 12.4 反応速度と温度
 12.5 触 媒
 練習問題
 COLUMN:光触媒
練習問題解答

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